マイラーの旅行計画にお役立ち!アライアンス別の路線網がひと目で分かるツール
飛行機に乗るといつも機内誌末尾の路線ネットワークに見入ってしまいます。
航空会社ごとの路線網は機内誌や公式サイトで簡単に見られるのですが、マイラー的にはアライアンスごとの路線図があったらいいなぁと常々思っていました。
WEB公開されているツール
私のようなエアラインファンが各社からフライト情報を集めてツールを開発しているみたいです。
個人的によくできてるなーと思ったのは以下。
Airline Route Mapper
"Download Link"からzipファイルを落としてきて解凍します。一度ダウンロードすればオフラインでも使えます。
世界中すべての路線網がインプットされていて、こんな風にすべて表示することも、、
上のリストから選んで航空会社やアライアンスごとのネットワークを表示することもできます。この図はStar Allianceの路線図。
データ数が多い割に動作が滑らかで使いやすいです。
ただ惜しむらくは、2014年6月の時点でデータ更新がストップしていることです。まあ、世界の航空ネットワークは春と秋のダイヤ一斉改正をはじめ日々変化していますので、アップデートに限界があったとしても無理はありません。
他にも以下など色々見つかりました。
flightconnections.com - All flights worldwide on a map
が、情報がアップデートされていて、アライアンスでフィルタリングできるというサイトにはとうとう巡り会えず・・・
アライアンスのWEBサイト
やはりアライアンスのサイトで見るのが一番だと思い至りました。
以下にリンク先をまとめておきます。
Star Alliance:
http://star-alliance.innosked.com/default.aspx
One World:
http://onw.innosked.com/(S(s1ddw5quueepkqjyw1rk1r55))/default.aspx?show=MAP
Sky Team:
http://applications.skyteam.com/routemapper/#/flightInput
いずれも全路線を一度に表示することはできませんが、たとえばStar Allianceでは画面上のDestinationタブで出発地を入力すると、そこを起点とする路線がコードシェアも含めてすべて表示されます。東京起点にするとこんな感じ。
One Worldはこんな感じ。
Sky Teamだけなんか雰囲気が違います。
予約はアライアンスのサイトからはできないので、航空会社や予約サイトを通して行う必要があります。
今後の旅行計画にお役立てください。
また次回!
南アフリカへの行き方&エアライン
時はさかのぼり2015年夏、南アフリカに旅行に行ってきました。
見どころとしては、
などで、大自然を肌で感じる旅です。
行き方
空の玄関口は最大都市ヨハネスブルグですが、ダウンタウンの治安が相当悪いと聞いている*2ので、今回は観光せず乗り継ぎ拠点として利用することにしました。
日本からの直行便はなく*3、行き方としては大きく分けて次のようなルートがあります。
①香港経由
②東南アジア経由(シンガポール、バンコクなど)
③中東経由(ドーハ、ドバイ、イスタンブールなど)
④ヨーロッパ経由(ロンドン、フランクフルト、アムステルダム、パリなど)
⑤オーストラリア経由
どれが一番効率的か?
東京を中心とした正距方位図法の地図でルートを描いてみました。
東南アジア経由と微妙な差ですが、香港経由がいちばん直線に近いルートです。
香港~ヨハネスブルグ間を飛んでいるエアラインは、キャセイパシフィック航空と南アフリカ航空の2社。加盟アライアンスは、キャセイパシフィックがOne World、南アフリカ航空がStar Allianceなので、ANAマイラーの私は迷わず南アフリカ航空を選択しました。*4
ちなみに、キャセイパシフィックの香港~ヨハネスブルグ便はJALがコードシェアしていますので、JALマイラーの方はJAL便名で予約するとFLY ONポイントがJAL便扱いで獲得できます。
一方、デルタ航空をはじめとするSky Teamのマイラーの方は、効率の良いルートが無く悩みどころです。
長距離移動を覚悟でエールフランスのパリ経由やKLMのアムステルダム経由を利用するか、あるいは乗り継ぎ回数と時間を犠牲にして大韓航空やケニア航空でソウル・バンコク・ナイロビと乗り継ぐか、といった選択になります。デルタ航空でアトランタ経由という"裏ワザ"もありますが、運賃との相談です。
南アフリカ航空
アフリカ最大規模のエアラインで、ヨーロッパやアメリカへの長距離便も積極的に飛ばしています。昔はバンコク経由で関西にも飛ばしていましたが現在は日本に来ておらず、香港がアジアで唯一の就航先なので、日本~香港間は他社便で移動することになります。Star AllianceならANA一択です。
香港~ヨハネスブルグの所要時間は12時間半。機材はA340-300でした。南アフリカ航空は大半の長距離便をA340で運航しています。この機種、離陸時の加速が他の機種よりも緩いような感じがしてちゃんと飛び立つのか不安になります。
写真が手元にない(日本に置いてきてしまいました汗)ので申し訳ないですが、
機内はきれいだったし食事も美味しかったので、アメリカのエアラインよりもサービスレベルは上だと感じました。
ヨハネスブルグは赤道からの距離は那覇とほぼ同じですが標高1700mにあるので、日本の夏・南半球の冬に行く場合は結構寒いです。要対策です。
また、ヨハネスブルグで国内線に乗り継ぐ際はいったん預け荷物を引き取って通関し、乗り継ぎカウンターで改めて預けるというアメリカ的な手続きになります。このとき一時的にセキュリティエリアの外に出るので、念のため置き引きやスリには警戒を強めた方がいいです。
エアラインいろいろ ~コパ航空編~
GWと夏の長期休暇には海外旅行をすることが多いのですが、今年の夏休みはせっかくアメリカに住んでいるのだからと思い立って南米のペルーに行ってきました。
サンフランシスコから首都リマまでおよそ7300キロ。東京~サンフランシスコが約8300キロ、東京~シドニーが約7800キロらしいので、それよりちょい近いぐらいです。
地図を見て気付きましたが、北米と南米ってこんなに東西にずれてるんですね。どおりでサンフランシスコとリマが時差2時間もあるわけだ。
・・・さて、問題はどのエアラインで行くか?
海外旅行はなるべく現地の航空会社で行く主義なのですが、ペルーのエアラインはサンフランシスコに就航していないのでどこかで乗り継ぎが必要なうえ、いずれもStar Alliance加盟ではないのでマイルが貯まらない。。。ということで、エクスペディアで探してみたらちょうどいいのが見つかりました。
コパ航空!
詳細はwikiに譲りますが、運河で知られるパナマの航空会社で、旧コンチネンタル航空・現ユナイテッド航空との結びつきが強いことから、Star Alliance加盟でかつロゴマークがなんとなく似ている、ということです。*1
路線展開を見てみると、パナマをハブにして北米~南米間の輸送に力を入れているようです。パナマという国自体には航空需要はあまりなさそうなので自然な成り行きですね。サンフランシスコには2015年に就航したそうです。
ペルーがちょうど独立記念日の連休でハイシーズンだった割には、往復85000円程度でチケットが買えたのでラッキーでした。
今回はリマとの往復で合計4便に搭乗しました。それぞれ少しずつレポートしてみます。
①CM209便 サンフランシスコ→パナマ
23:19発で7時間弱の夜行フライトです。機材は737-800でした。コパ航空は777みたいな大型機は1機も持っておらず、ほとんど737で運航しています。
機内の写真が取れなくてすいませんが、この便は長距離用機材で個人用モニターが完備されていました。
出発直後は飲み物とスナックだけで、到着前に朝食がサーブされます。スクランブルエッグかフレンチトーストのチョイスで、スクランブルエッグを選択。
途中ちょっと揺れましたが無事にパナマ到着。
②CM131便 パナマ→リマ
パナマ空港は乗り継ぎメインの空港のため、出発と到着のコンコースが同じになっており、乗り継ぎ客はパナマの入国手続きは不要です。*2
夜行便でヘトヘトだったのでコパ航空のラウンジで2時間ほど休み、次の便へ。
機材は同じく737-800でしたが、短距離用機材で機内エンターテインメントがありませんでした。
機内食だけ写真が残ってました。2つ選択肢があって、ビーフを選択。
③CM492便 リマ→パナマ
AM4:45発という日本では考えられないスケジュール。空港への移動もあってほとんど寝る時間ありませんでした。
飛び立つ前から寝ていたと思います。食べ物の臭いで目が覚め、すぐそこに機内食のカートが来ていました。到着直前に朝食がサーブされます。トーストとパンという組み合せはさすがにちょっと・・・
④CM208便 パナマ→サンフランシスコ
この便だけビジネスクラスに座ることができました。コパ航空ではビジネスクラスの空席をエコノミー客に対してオークション形式で売っており、出発直前の段階で入札額が高い人から順にビジネス席を割り当ててもらえるシステムになっています。今回は長距離フライトの①と④だけ応募してみました。
結果、300ドルを賭けた①は落選、350ドルを賭けた④は当選!となりました。金額については色々見方はあると思いますが、JALのプレエコ当日アップグレード*3が300ドルであることを考えれば"破格のビジネスクラス"だと思います。
座席は通路挟んで2-2の4列配置で、エコノミーの6列よりもゆったり。フルフラットとはいきませんが、リクライニングとフットレストのおかげで楽に座れました。
出発直後のサービスは軽いスナックと飲み物(食べかけですいません)。
到着前に昼食がサーブされます。メインはチキンか魚のチョイスで、魚を選択。
食後はもう一度ぐっすり寝て、ビジネスクラスを最後までエンジョイしてサンフランシスコに到着しました。
おまけ:ペルーのエアライン
今回の旅行ではペルー国内線も利用しました。
LC Peru
預け荷物を含めても片道1万円をゆうに切る価格で、さすがLCCです。
LATAM Peru
チリのLAN航空とブラジルのTAM航空が合併してできたLATAM航空に、LANの傘下だったLAN Peru航空もくっついてきて現エアライン名になっているらしいです。もともとLANがOne World、TAMがStar Allianceとアライアンスが別々でしたが、合併後はOne Worldに入っています。
と、エアライン紹介より旅日記みたいになってしまいましたが、今日はこの辺で!
秋以降のアメリカ便考察 ~羽田深夜便のありがたみは10月まで?~
すでにニュースになっている通り、
2016年10月30日から昼間時間帯に羽田を発着するアメリカ便がスタートします。
羽田空港から昼間のアメリカ線、発着可能に 日米間で日中10往復で合意 - トラベルメディア「Traicy(トライシー)」
NYやシカゴへ行く方にとっては待望の新規就航ですが、
一方でこれまで西海岸と行き来していた方にとっては色々思う所があるのではないでしょうか。
私見も交えつつ、状況を整理してみます。
これまでの羽田⇔アメリカ便
10月29日までは、全ての便が23:00~翌6:00の深夜時間帯に発着するスケジュールになっています。
【羽田発】
出発時刻 | 便名 | 行先 |
---|---|---|
22:55 | NH186 | ホノルル |
23:40 | JL080 | ホノルル |
23:55 | HA458 | ホノルル |
00:05 | JL002 | サンフランシスコ |
00:05 | NH106 | ロサンゼルス |
00:10 | DL636 | ロサンゼルス |
00:30 | UA876 | サンフランシスコ |
01:00 | AA026 | ロサンゼルス |
【羽田着】
到着時刻 | 便名 | 出発地 |
---|---|---|
22:00 | JL089 | ホノルル |
22:05 | HA457 | ホノルル |
22:25 | DL637 | ロサンゼルス |
22:30 | AA027 | ロサンゼルス |
22:35 | UA875 | サンフランシスコ |
04:45 | JL001 | サンフランシスコ |
05:00 | NH105 | ロサンゼルス |
※時刻は2016.9現在
※NH:ANA、JL:JAL、HA:ハワイアン、DL:デルタ、UA:ユナイテッド、AA:アメリカン
秋以降の羽田⇔アメリカ便
10月30日からは、昼間時間帯(6:00~23:00)に10便、深夜時間帯に2便が発着します。
【羽田発】
出発時刻 | 便名 | 行先 |
---|---|---|
10:20 | NH110 | ニューヨーク |
10:30 | NH112 | シカゴ |
16:35 | DL103 | ミネアポリス( |
16:55 | UA876 | サンフランシスコ |
17:25 | DL006 | ロサンゼルス |
18:55 | AA026 | ロサンゼルス |
19:45 | JL002 | サンフランシスコ |
21:30 | HA458 | ホノルル |
21:55 | NH186 | ホノルル |
22:55 | JL080 | ホノルル |
22:55 | NH106 | ロサンゼルス |
23:55 | HA856 | ホノルル(月火木土) |
23:55 | HA852 | コナ(水金日) |
【羽田着】
到着時刻 | 便名 | 出発地 |
---|---|---|
13:10 | NH185 | ホノルル |
14:20 | DL111 | ミネアポリス( |
14:45 | JL089 | ホノルル |
15:05 | UA875 | サンフランシスコ |
15:45 | DL007 | ロサンゼルス |
16:35 | AA027 | ロサンゼルス |
18:55 | HA457 | ホノルル |
19:20 | JL001 | サンフランシスコ |
20:30 | NH111 | シカゴ |
21:10 | NH109 | ニューヨーク |
22:05 | HA855 | ホノルル(月火木土) |
22:05 | HA851 | コナ(水金日) |
05:05 | NH105 | ロサンゼルス |
※米国側の航空会社は仮の配分(2016.9.1現在) 正式決定
新しいダイヤにちまたの反応は・・・
これまでハワイと西海岸にしか飛んでいなかった羽田⇔アメリカ便が ニューヨークやシカゴにも飛ぶようになるのは大きな変化だと思います。
一方で、上記ダイヤに問題意識をもっている人も多くいます。
今までに挙がっている&私が思っている問題点を整理してみます。
①東海岸への便が意外と少ない
昼間時間帯にアメリカ便を設ける最大のメリットは、深夜出発だと到着時刻が悪く利便性の低かった中部・東海岸路線を開設できることです。にもかかわらず、今回新たに就航する都市のうち中部・東海岸に該当するのはニューヨーク、シカゴ、ミネアポリスだけとなりました。
デルタはアトランタ線、アメリカンはダラス・フォートワース線、ユナイテッドはニューアーク線を、それぞれ申請していましたがアメリカ運輸省の認可が下りず、今回の開設には至りませんでした。
12便中4便をハワイ路線が占めるのもなんだかなぁ、という気もします。
②西海岸へ向かう便の利便性が低下
従来は羽田を深夜に出発し、西海岸に夕方到着という、時間を有効利用したいビジネスマンにとってはこれ以上ない便利なダイヤが組まれていました。
新しいダイヤでは、ロサンゼルスとサンフランシスコに向かう便が軒並み夕方発になり、到着は午前中です。機内で寝られない私のようなタイプの人間にはつらい時間です・・・
成田と同時間帯になったことで需要が偏ったりしないのか?、唯一深夜帯に残ったANAのロサンゼルス線に人気が殺到しないか?など、気になるところです。
サンフランシスコ滞在中かつANAマイレージ会員の私は、サンフランシスコを夜に出発して日本に深夜到着するユナイテッド便の時刻変更が非常に残念です。
③アライアンスによって偏りがある
特定アライアンスを贔屓にするマイラーには、一番気になる点かも知れません。
日本の航空会社に着目すると、ANAが2便分の枠を新たに得たのに対し、JALは従来通り2便です。JALの経営破たんの影響で近年は発着枠配分の際にANAに有利な決定がなされることが多いので仕方ない面もありますが、JALユーザーからすると東京からニューヨークやシカゴへ行くのに成田からしか行けない(ANAは羽田/成田 各1便ずつの予定)のは若干不便に感じそうです。
全体に目をやると、ANAとユナイテッドのStar Alliance勢がアメリカの主要都市を押さえていて"一人勝ち"の状態です。JALとアメリカンのOne World勢は西海岸とハワイだけで、厳しい状況が続きます。
そして、デルタのSky Teamは便数が1つ増えたとはいえ、メインハブのアトランタ便が認可されなかったことや、日本に提携航空会社が無いというハンデを背負うことに変わりはないので、日本市場への注力度が変わっていくかもしれません。現に、成田~ニューヨーク線など3本を10月から運休することが発表されたところです。
デルタ航空、東京/成田〜ニューヨーク・バンコク・大阪/関西線を運休 - トラベルメディア「Traicy(トライシー)」
というわけで、マイラーにとっても明暗が分かれそうな今回のダイヤ変更です。
今後も羽田の発着枠拡大に合わせて便数が増えていくと思いますが、どう配分されるのか注目です。
また次回!
アメリカ長期滞在中なのにANAプラチナになれるか? ~海外滞在時のマイレージ考察~
2016年の4月から1年間の予定でアメリカのサンフランシスコ近郊に住んでいます。
こちらでも飛行機を使った出張や旅行にちょいちょい行っていますので、マイルを貯めつつ上級会員を虎視眈々と狙っています。
果たしてアメリカ在住にして日本の航空会社の上級会員になることはできるのか?
自分なりに考えを整理してみました。
本記事では、前回記事で説明した3種類の獲得ポイントを総称して「ポイント」と表記しています。
arnyuki.hatenablog.com
滞在地から考える ~ハブ空港をチェック~
アメリカの代表的な航空会社といえば、アメリカン航空・ユナイテッド航空・デルタ航空です。 3社はそれぞれ別のアライアンス(航空連合)に加盟しています。
一般的に、マイレージ会員になっている航空会社だけでなく、同じアライアンスに所属する航空会社便に乗ればほとんどの場合ポイントが獲得できます。従ってANAのマイレージ会員ならユナイテッド航空、JALの会員ならアメリカン航空に乗れば、それがたとえアメリカ国内線であっても、日本以外への国際線であってもポイント獲得可能です。
ところが航空会社を選ぼうにもなかなか思い通りにいかないことがアメリカでは多いのです・・・
日本にいるとイメージ湧かないかもしれませんが、アメリカの航空会社は国内に複数の拠点空港(ハブ空港)を設定し、便をそこに集中させることによってハブ空港を経由すればどこから出発してもどこにでも行ける状態を作り出しています。
例えばアメリカン航空の路線図を見ると、、、
本社所在地であるダラス・フォートワース空港をはじめ、シカゴ、マイアミなどをハブ空港として全米をカバーしています。
一方のユナイテッドはこちら。
本社のあるシカゴを筆頭に、デンバー、ヒューストン、ワシントン、ニューアークなどをハブ空港にしています。
デルタはこんな感じ。
本社のあるアトランタやソルトレークシティー、ニューヨーク、デトロイトなどをハブ空港にしています。アトランタは飛行機の発着回数が世界一多い空港(年間95万回)として有名です。*1
このように航空会社によってハブ空港が異なるため、ポイント獲得の観点でみると、自分の最寄り空港のハブ航空会社はどれなのか、が非常に重要です。
例えばANAのマイレージ会員がデルタのハブであるアトランタに住む場合、マイル獲得の観点では著しく不利になります。アトランタはデルタ航空の便が大半を占めていて、ANAとアライアンスが同じユナイテッド航空の便が少ない(あってもせいぜいユナイテッド自身のハブへ向かう便のみ)ためです。
逆に、ANAのマイレージ会員がユナイテッドのハブであるヒューストンなどに住む場合、マイルが非常に貯まりやすくなります。ユナイテッドの国内線が充実しているのに加え、同じスターアライアンスに所属する海外航空会社(ANA含む)も就航している*2ため、アメリカ発の海外旅行でもマイルを獲得できます。
ANA会員の私は滞在先が偶然ユナイテッドのハブであるサンフランシスコになり、他社に新規登録することなくポイントを貯め続けています。
・・・というわけで、日本の航空会社のマイレージ会員は、滞在地をハブとする航空会社しだいでポイントを獲得しやすかったりしにくかったりします。もしアライアンスの異なる航空会社だった場合は、ANAからJALへ(またはその逆)乗り換えるか、いっそアメリカの航空会社のマイレージ会員になってしまってもいいかもしれません。デルタのハブ近くに住むことになった場合は、少ないユナイテッドやアメリカンの便を活用して何とかANAやJALのポイントを獲得するか、あるいは諦めてデルタの会員に登録するか、の選択になります。
ハブ空港を確認してマイレージ会員登録が済んだら、あとはアメリカ国内線でも他国航空会社でも乗りまくれば上級会員へまっしぐら、、、と言いたいところですが、もう1つ乗り越えなければいけないハードルがあります。
日米往復は必須 ~上級会員への道~
前回記事にも書いたように、ANAのプラチナ達成基準はプレミアムポイントを「50000ポイント以上(うちANA便25000以上)」となっています。このANA便25000以上というのがかなり鬼門です。
ANAはアメリカ国内線は飛ばしていないので、アメリカに居ながらこの条件をクリアするには日米間を何回かANA便で往復する必要があります。
ANAのサンフランシスコ→成田線に1回搭乗あたりで得られるプレミアムポイントはもっとも入手しやすい予約クラスQの場合3591ポイントです。25000ポイント達成には3.5往復=7回乗る必要があります。敢えて遠回りのシカゴやニューヨーク経由にすればもっとポイントを稼げますが、それでも3往復は必要です。
スケジュールなどの都合でANAを選べずユナイテッド航空を選択した場合は、たとえコードシェアのANA便名で予約した場合でも獲得したプレミアムポイントはANA便としてカウントされないので注意が必要です。
JALはここの扱いが若干異なり、たとえ他社が運航する便でもJAL便名で予約すればJAL便としてポイント*3がもらえることになっています。日本発着のアメリカン航空便のほか、そこから乗り継ぐ米国内線にもJAL便名がついていることがあるので、予約時に気を付けさえすればANAよりも簡単に基準達成できます。*4
ちなみに今の私のポイント状況は・・・
本記事を書いた8/31時点では、プレミアムポイント43000ポイント余り(うちANA便18000ポイント余り)となっており、やはりANA便の利用が不足気味です。。。年末までにANA便であと7000ポイント獲得すればプラチナ達成です。秋ごろに一時帰国、年末にも帰ると思うので、合計3回搭乗予定。このうち2回ANA便に乗れればOKということになります。
まとめ
アメリカに住みながら日本の航空会社の上級会員になるためには、
- 滞在地の最寄り空港をハブとする航空会社をチェック
- 同じアライアンスに所属する日本の航空会社(ユナイテッドならANA、アメリカンならJAL)のマイレージ会員になる
- 日本の航空会社に乗って(JALの場合はアメリカン航空便をJAL便名で乗ってもOK)日米間を何往復かする
が必要条件になります。
もし最寄りのハブ会社がデルタだったり、日米往復が頻繁にできない場合は、JALとANAの上級会員は厳しいため、アメリカの航空会社のマイレージ会員になってそちらで上級会員を目指すほうが簡単です。
ではまた次回!
上級会員になるには”マイル”でなく”プレミアムポイント”を貯める ~ANAマイレージ制度まとめ~
まず覚えておきたい用語
マイル制度を語るうえで重要になる用語を押さえておきましょう。
マイレージプログラム
航空会社が顧客を囲い込むために設立した、ポイントや特典のシステム。フリークエントフライヤープログラム(FFP)とも呼ばれます。近年は多くの航空会社が航空会社連合(アライアンス)に加盟していて会社どうしの結びつきが強くなっているため、自社便だけでなく提携他社便の利用者にもポイントや特典を提供することが一般的になっています。例えばANAマイレージクラブの会員が、スターアライアンスで提携するユナイテッド航空を利用すると、後述するマイルなどのポイントを獲得できます。
「区間基本マイル」
航空路線の長さ(時間ではなく距離)をマイル単位で表した数値で、出発/到着空港の位置で決まります。IATA(国際航空運送協会)が定めた数値*1を各航空会社がそのまま使用しているため、航空会社にかかわらず同じ区間なら同じ数値になると考えていいと思います。
この区間基本マイルを元に、獲得マイルが計算されます。
予約クラス
飛行機のクラスというと、ファースト・ビジネス・エコノミーが思い浮かぶと思いますが、例えば同じエコノミークラスでも変更・キャンセルなどの条件によって異なる運賃が設定されていることがほとんどです。この運賃種別のことを予約クラスといいます。
ANA国際線の例を貼っておきます。エコノミーだけで10種類の運賃があります。
運賃規則一覧|ご予約/旅の計画|国際線航空券予約・空席照会|ANA
運賃ごとに定員枠があるため、払い戻し不可などの厳しい条件がつく安い運賃ほど早々に売り切れてしまいます。ANAやJALのみならず海外の航空会社でも、GWやお盆に日本を発着する便は安い運賃がすぐに無くなります。長期休暇中の飛行機はとにかく早めの手配が必要です。会社の出張など急な日程変更のリスクがある場合は敢えて予約変更が可能な高めの運賃で購入することが多いです。
一方、マイラーの視点で見ると、より高い運賃のほうが獲得できるポイントが高くなります。航空会社は高い運賃を払ってくれる顧客を優遇する傾向が近年顕著になってきていて、アメリカの航空会社では”区間基本マイルに関係なく支払い額に比例してマイルを付与する”としているところもあります。
フライトで貯まる3種類のポイント
ANAマイレージクラブ(AMC)の会員になると、ANAや提携航空会社の飛行機に乗った際に3種類のポイントを獲得することができます。3つに互換性はなく独立に積算されます。それぞれの特徴をまとめます。
①マイル
特典航空券や座席アップグレードをはじめ様々な用途に使えるポイントです。ANAでは獲得から3年経過したマイルは失効してしまう*2*3ため、有効利用がグッド。
例えば特典航空券について見てみると、ローシーズンには東京⇔大阪の往復が10000マイル、東京⇔ニューヨークの往復が40000マイル、で手に入ります。GWやお盆は必要マイル数が高めなうえに特典航空券にも定員があるので入手ハードルが若干ありますが・・・*4
獲得ポイントは、区間基本マイル・予約クラス・会員ステータス(後述)・所有しているカードの種類、で決まります。
マイルは飛行機に乗った時だけでなく、各種ポイントからの交換やANAカードでの決済などでも獲得できます。飛行機に乗らずにマイルを貯める人は「陸マイラー」と呼ばれており、中には1か月に20000マイル以上獲得する人もいます。
②プレミアムポイント
会員のステータスを決めるためのポイントで、例えば2016年1月1日~12月31日のあいだに獲得したポイントに応じて2017年4月1日~2018年3月31日のあいだのステータスが決まるといった具合に、1カレンダー年の獲得ポイントによって翌年度のステータスが決まります。従ってプレミアムポイントの有効期限は年末までとなります。
マイルと違ってフライトでのみ獲得可能であり、飛行機に乗らない陸マイラーは獲得できないことになります。獲得ポイントは区間基本マイルと予約クラスによって決まり、ANA便の中では東京からアメリカ東海岸までファーストクラスの正規運賃で飛んだ時が最高ポイントになります(例:東京からNYまで片道で10505ポイント)。
プレミアムポイントによって決まるANAの会員ステータスは3種類あります。
- ブロンズ:30000ポイント以上(うちANA便で15000以上)
- プラチナ:50000ポイント以上(うちANA便で25000以上)
- ダイヤモンド:100000ポイント以上(うちANA便で50000以上)
「うちANA便で・・」という条件は自社便の利用者を優遇するための条件です。高いステータスになるほど特典が充実していて、特にプラチナ/ダイヤモンドステータスになると、ANAや提携航空会社の利用時に、空港ラウンジの利用・チェックインや搭乗の優先・大量のボーナスマイルの獲得といった誰もがうらやむ恩恵を受けることができます。
さらに、プラチナ/ダイヤモンドステータスの間だけ申し込むことができるクレジットカード「スーパーフライヤーズカード(SFC)」を取得すると、年度が明けてステータスが無くなっても引き続きプラチナ並みの特典を受け続けることができます。そのため、このカードの取得を目的に1年間とにかく飛行機に乗りまくる、いわゆる「修行」をする人もかなり多いです。
③ライフタイムマイル
読んで字のごとく、ANAマイレージクラブの会員になってからの通算獲得マイルです。ただし、フライトでのみ獲得可能でしかも区間基本マイルがそのまま積算されるだけなので、予約クラスや会員ステータスには関係なく、同じ便に乗った人は全員同じポイントを獲得します。
ANA便によるライフタイムマイルが100万マイルに到達すると、①のマイルの有効期限がなくなる(生涯有効)など一生続く特典が受けられるのですが、果たして私にそんな時が来るのでしょうか・・・
というわけで、厳密でない部分もありますがANAのマイレージ制度をかいつまんで一通り説明しました。
また次回!
私の空マイラー経歴とこのブログについて
勢いで始めました。
最初の記事は、マイラーとしての私の生い立ちをば。
198x年 誕生
1993年 北海道旅行で初めて飛行機に乗る(ANA)
1994-99年 父の仕事の都合で東南アジアの某国在住
※この間、東南アジアや南アジアなどへ旅行を繰り返す
※おそらくJALカードを持つ父が家族全員分のマイルを搾取集めていた
2008年 大学の研修旅行で久々の飛行機利用
2012年 ANAマイレージクラブ(AMC)入会
2013年 DELTA Skymiles 入会
2016年 現在、アメリカに長期出張中。2度目のANAプラチナを狙って旅行計画
今までに行ったことのある国はこんな感じです。
visited 23 states (10.2%)
Create your own visited map of The World or Amsterdam travel guide for Android
23か国*1。多いのか少ないのかよく分かりません。エアライン好きの方は、マップからなんとなく利用航空会社が分かるかもしれませんね。
小さい頃から飛行機に乗る機会が多く、自然とそういう業界に親近感を持ってきました。航空会社の2レターコード*2とか空港の3レターコード*3はどんどん頭に入っていきます笑
年表の通りマイラー歴はまだ4年のアマチュアです。
ANAは4年間で15万マイル、DELTAは3年間で3万マイルぐらい貯まりましたがほとんどフライトで得たものです。また、2015年は運よくANAプラチナに到達しましたがポイントを稼ぐことが目的のフライト利用は一度もありません。
飛行機を使わずにポイントサイトでせっせとポイントを貯めてマイルに交換することで年間20万マイル以上稼ぐ陸マイラーの方も多いですが、詳しい方法を調べてみるとクレジットカードを大量に保有したり馴染みのない金融商品に手を出したりと少し勇気がいります。
また、上級会員資格を得るためだけに飛行機に乗りまくる「修行僧」と呼ばれる方も相当多いと聞いています。が、運賃がかかるし週末が潰れるし・・・と色々大変です。
このブログは、
- マイルやポイントを目的とした活動は一切せずに、
- でも旅を楽しんで帰ってきたらマイルが貯まってる喜びを味わって、
- あわよくば上級会員になれたらいいなぁ、、、
という私のような(生)真面目な方々のために、
私の旅の計画や記録、マイレージ制度の情報、あるいは身近なエアラインの動向など、飛行機を使った旅が10倍(?)面白くなる情報をシェアしていきます。旅先で見たもの食べたものなどもアップします。
更新頻度はどうなるかわかりませんが、見に来ていただけると嬉しいです。
駆け足でしたが1本目はこんなところで。