ARNYUKI

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生真面目マイラー参上

旅行とエアラインが大好きな機械系エンジニアのブログです。2016、2017年度ANAプラチナ。SFC取得。2018年度JALサファイア&JGCに向けて色々計画中。

今まで乗ったアメリカ国内線の定時運航率を計算したら凄いことに 〜遅延しない便を選ぶコツ〜


昨年4月以降、サンフランシスコを拠点にアメリカ国内色んなところに出かけています。新幹線みたいな高速鉄道が無いので、移動の足はもっぱら飛行機。以前の記事 にも書いたように、各航空会社のハブ空港を中心に網の目のように路線網が敷かれています。

ただ、時間にルーズな国民性を反映してか、しょっちゅう遅れるのが難点。定刻に出発したら万々歳といってもいいぐらい遅れます。


ということで今回は私のアメリカ滞在中に乗った国内線フライトの遅れ状況と、遅延しない便の選び方、をシェアしてみます。


定時運航とは

まず飛行機の「出発」「到着」の定義について軽くおさらい。

出発時刻とは、「飛行機の前輪が動き出す時刻」とされています。プッシュバックのこともあれば最初からエンジンで前進することもありますが、いずれにせよ駐機場を離れ始めた時刻、ということになります。離陸時刻ではありません。

到着時刻とは、「飛行機が駐機場で完全に停止した時刻」とされています。着陸時刻ではありません。空港混雑などで滑走路からゲートまで時間がかかることがありますが、それも「地上走行中」とみなされ運航中の扱いです。


航空会社は地上走行にかかる時間も織り込んで運航スケジュールを立てているので、実際の「飛行時間」は時刻表の「所要時間」よりも短いというわけです。


空港でもらう搭乗券には出発時刻ではなく「搭乗開始時刻(Boarding time)」のほうが大きく印字されていることが多いですが、これは飛行機に慣れていない人が「出発時刻までにゲートに行けばいい」と勘違いするのを防ぐためです。下の写真は先日乗った便の搭乗券ですが、出発時刻はどこにも記載がなく搭乗時刻だけが書かれています。

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機内では乗客が全員搭乗したあと、ドアクローズや各種準備・点検作業が行われてようやく出発可能な状態になります。つまり、理想的には出発時刻よりも5分ほど?前に搭乗完了することが望ましい、ということです。

日本ではゴールデンウィークやお盆などハイシーズンになるとどうしても飛行機慣れしていない人が多く、出発寸前になってもゲートに来ない乗客を地上スタッフが走り回って捜索、という場面をよく目にします。テレビのニュースでもよく流れています。

ちなみに、ドアクローズから離陸までの間に安全設備の説明をすることが航空法で(海外でも同様の法律で)義務付けられており、その間は全員着席している必要があります。トイレに行こうとしたらCAさんに怒られました。


定時運航とは、時刻表に定められた定刻よりも15分以内の遅れで運航されること、とされています。国際機関による正式な定義ではありませんが、アメリカのConducive Technology社が定時運航率ランキングを2010年に発表したのがきっかけとなり、この定義が広まったと言われています。同社は後に社名をFlightStatsに変更しており、ニュースで耳にすることも多いです。

定時運航と見なされるためには定時に到着さえすればいいので、多くの会社は所要時間を長めに見積もって多少の出発遅れは吸収できるようにしています。遅れの多いエアラインはなおさら慎重で、例えば実際は2時間で到着できるところを時刻表では3時間としていたりします。もっとも、スケジュール余裕がチャラになるほど大幅に遅れることも多いのですが・・・


下の写真はサンフランシスコからニューヨークまでのUAのタイムテーブルです。実際の飛行時間は4時間40分〜50分ほどに対して時刻表は5時間20分〜30分をとってあるようです。

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先日発表された2016年の定時運航率ランキングで、デルタがトップ10入りするなどパッと見はアメリカの航空会社も健闘しているなーと思ったのですが、「定時出発率」でランク付けすると違った結果になるかもしれません。

FlightStats 2016 Airline On-Time Performance Service Award Winners Announced – FlightStats, Inc.



遅れの原因

私の経験やニュースで聞いた情報を総合すると、遅れる原因は

・使用機材の前のフライトが遅れた
・機体システムに異常が生じた
・地上側の混雑
・乗務員のやりくりがつかない
・悪天候
・乗客の行動が遅くゲートに来ない
・乗り継ぎ客の前の便が遅れた
・荷物収納に時間がかかる
・機内で乗客のトラブル
・・・

などなど、不可抗力もあれば理不尽なものもあります。しかし中には我々乗客に非があるケースもあります。大きめの荷物はなるべく預ける・空港では早めの行動・係員指示に従うなど、普段から心がけたいものです。

アメリカではロストバゲージ防止のため荷物を機内持ち込みにする人が多いのですが、搭乗中に機内の収納が満杯になって、仕方なく預け荷物にする、という場面を何度も見ています。1便で20個ぐらいはそういう荷物が発生します。この手続きに時間を要したために出発が10〜15分ほど遅れることが慢性化しています(記録上は定時運航ですが)。機内持ち込み可能なサイズでも、なるべく預けましょう。

あと、アメリカでは出発時刻になってもゲートに現れない乗客は容赦なく置いて行かれます。自己責任の国ですから、時計をこまめにチェックしてくれぐれも遅れないようにしましょう。



今まで乗ったアメリカ国内線を集計してみた

私がこの1年間に乗った国内線の運航状況です。


日付 航空会社 出発地 到着地 遅れ 備考
4/29 AA サンフランシスコ ダラス 遅れ1時間
4/29 AA ダラス ニューオーリンズ 定刻
5/1 UA ニューオーリンズ サンフランシスコ 定刻 予定の便を逃し振替
5/3 UA サンフランシスコ バンクーバー 遅れ1時間 国内線にカウント
6/28 UA サンフランシスコ サンディエゴ 定刻
6/29 UA サンディエゴ サンフランシスコ 遅れ2時間
7/11 UA サンフランシスコ ニューアーク 遅れ2時間
7/15 UA ニューアーク サンフランシスコ 定刻
11/5 UA サンフランシスコ ロサンゼルス 定刻
11/6 AA ロサンゼルス サンフランシスコ 定刻
11/11 UA サンフランシスコ シアトル 定刻
11/13 UA シアトル サンフランシスコ 定刻
11/24 AA サンフランシスコ ダラス 遅れ3時間
11/24 AA ダラス ヒューストン 定刻 前便遅れで振替
11/27 AA ダラス サンフランシスコ 定刻
¼ DL オークランド ラスベガス 遅れ5時間
1/6 AA ラスベガス シカゴ 定刻
1/8 AA シカゴ サンフランシスコ 定刻
1/18 AA サンフランシスコ フェニックス 遅れ1時間
1/18 AA フェニックス オースティン 定刻
1/19 UA オースティン サンフランシスコ 遅れ40分

※ AA=アメリカン DL=デルタ UA=ユナイテッド


集計してみると21便中8便が遅延しており、定時運航率は約62%となります。

先日発表されたANAJALの2016年の定時運航率がそれぞれ85%、87%ですので、差は歴然。


国際線に限ればアメリカのエアラインもそこそこ定時運航していて世界の中でも上位に入るぐらいなのですが、いかんせん国内線の遅れ率が高く、相当足を引っ張っていると思います。

アメリカで飛行機を予約するとき、便ごとに定時運航率が表示されます。到着地での用事や乗り継ぎ時間を気にする場合には参考になります。下の画像はユナイテッド航空の例。上の方に"On-time:64%“とあります。

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直行便が無い場合はどこかで乗り継ぐことになりますが、1便目の遅れによって乗り継げないということも日常茶飯事です。各航空会社は代替便の座席を確保してすぐにスマホアプリで乗客に通知するシステムを取っています。

上の表で言うと11/24のダラス〜ヒューストンがそれ。直前のフライトが遅れたために元々の予定の便とさらにその次の便も逃してしまいましたが、私は係員のいるカウンターに一度も行かずにアプリ操作だけで代替便に乗ることができました。

アメリカの飛行機に乗るときはスマホ必須だと思います。



少しでも遅延リスクを避けたい場合は?


飛行機の定時運航は「運」としか言いようがなく、遅れるときは遅れます。いくら我々が努力しても、天候や機材トラブルはどうしようもありません。こっちの人は遅れが分かると「あーまたかー」という感じで、特に取り乱す様子もなく冷静に受け止めます(慣れもありますが)。

では、少しでも遅延から逃れるために、便の選び方のコツはあるのか?
私の経験から考えたことをシェアします。


①直行便を選ぶ

単純に搭乗便数を減らす作戦です。これだけで遅延確率がゼロになるわけではありませんが、乗り継ぎ時間の心配をしなくてよい分、心理的に楽になります。


②出発空港をハブにしている航空会社を選ぶ

たとえば、ニューヨークJFK発ならデルタ、シカゴ発ならユナイテッドかアメリカン、ダラス発ならアメリカン、といった具合です。もし出発空港がどの航空会社のハブでもない場合は、その空港の発着便が多い航空会社を選びます。

万一、機材トラブルで遅延が発生した場合、代替機材が充てられることがありますが、小空港だと機材の絶対数が少ないためこのような対応ができません。便数が多いとそれだけ機体の数も多いのである程度融通がききます。したがって遅延の可能性が低くなります(といっても、アメリカは機材の運用効率を最大限まで上げているため、空いている機材がないことも多々あります。これも運です!)


③朝早い便を選ぶ

ふつう、1つの機体は1日に何度も飛行します。空港に降りるごとに乗客が入れ替わり、機内もそのつど清掃が入ったりドリンクやスナックの積み替えがあったり、点検が入ったりします。 朝は定刻通り運航していても、便数を消化していくごとに空港での遅れが蓄積していき、夜の便にしわ寄せが来るパターンが多発しています。

つまり、朝の便のほうが遅延しにくい、ということが言えます。

ただし注意点がひとつ。国土が広いアメリカでは国内線でも深夜便が設定されています。例えば夜にロサンゼルスを出発して、翌日早朝にニューヨークに到着するなどです*1。この便の出発が遅れると、翌朝この機材を使う便も影響を受けることになります。朝早い便を選んでも確実ではない、ということです。

またもう一つの問題として、早朝は空港混雑が激しいということがあります。公共交通が動き出すと同時に早朝便の乗客がどっと押し寄せて来るので、閑散期でも保安検査場が30分待ちということもしばしば。遅延リスクが少ない半面、早起きして時間に余裕を持って空港へ行く必要があります。


④自由席のLCCを選ぶ

意外に思われるかもしれませんが、LCCの定時運航率は総じて高い傾向にあります。

アメリカのLCCの先駆けとも言えるサウスウエスト航空は、全席自由席というユニークなシステムで有名です。搭乗開始後、機内では座席の争奪戦になります。希望の席をゲットするために搭乗ゲートへの人の集まりが早く、乗客が原因となる遅延は少なくなっています。

LCCなのでサービスの質はやや落ちますが、遅延に巻き込まれないためには有力な選択肢です。


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LCCは嫌だ!という場合は、3大エアラインで最も定時運航率の高いデルタが安心です。私の経験上もほとんど遅れたことがなく、上の表に挙げたオークランド〜ラスベガス便が初めてでした。



まとめ


こうして見てみると、日本のエアラインがいかに優秀かがよく分かりますね。

アメリカでは旅行や出張の計画はかなり余裕を見て立てたほうがいいと思います。本記事が少しでも参考になれば幸いです。



*1:西海岸から東海岸へは5時間以上かかるうえ時刻が3時間進むので、着いた頃には地上交通も動いており乗客は時間を効率よく使えるメリットがあります