秋以降のアメリカ便考察 ~羽田深夜便のありがたみは10月まで?~
すでにニュースになっている通り、
2016年10月30日から昼間時間帯に羽田を発着するアメリカ便がスタートします。
羽田空港から昼間のアメリカ線、発着可能に 日米間で日中10往復で合意 - トラベルメディア「Traicy(トライシー)」
NYやシカゴへ行く方にとっては待望の新規就航ですが、
一方でこれまで西海岸と行き来していた方にとっては色々思う所があるのではないでしょうか。
私見も交えつつ、状況を整理してみます。
これまでの羽田⇔アメリカ便
10月29日までは、全ての便が23:00~翌6:00の深夜時間帯に発着するスケジュールになっています。
【羽田発】
出発時刻 | 便名 | 行先 |
---|---|---|
22:55 | NH186 | ホノルル |
23:40 | JL080 | ホノルル |
23:55 | HA458 | ホノルル |
00:05 | JL002 | サンフランシスコ |
00:05 | NH106 | ロサンゼルス |
00:10 | DL636 | ロサンゼルス |
00:30 | UA876 | サンフランシスコ |
01:00 | AA026 | ロサンゼルス |
【羽田着】
到着時刻 | 便名 | 出発地 |
---|---|---|
22:00 | JL089 | ホノルル |
22:05 | HA457 | ホノルル |
22:25 | DL637 | ロサンゼルス |
22:30 | AA027 | ロサンゼルス |
22:35 | UA875 | サンフランシスコ |
04:45 | JL001 | サンフランシスコ |
05:00 | NH105 | ロサンゼルス |
※時刻は2016.9現在
※NH:ANA、JL:JAL、HA:ハワイアン、DL:デルタ、UA:ユナイテッド、AA:アメリカン
秋以降の羽田⇔アメリカ便
10月30日からは、昼間時間帯(6:00~23:00)に10便、深夜時間帯に2便が発着します。
【羽田発】
出発時刻 | 便名 | 行先 |
---|---|---|
10:20 | NH110 | ニューヨーク |
10:30 | NH112 | シカゴ |
16:35 | DL103 | ミネアポリス( |
16:55 | UA876 | サンフランシスコ |
17:25 | DL006 | ロサンゼルス |
18:55 | AA026 | ロサンゼルス |
19:45 | JL002 | サンフランシスコ |
21:30 | HA458 | ホノルル |
21:55 | NH186 | ホノルル |
22:55 | JL080 | ホノルル |
22:55 | NH106 | ロサンゼルス |
23:55 | HA856 | ホノルル(月火木土) |
23:55 | HA852 | コナ(水金日) |
【羽田着】
到着時刻 | 便名 | 出発地 |
---|---|---|
13:10 | NH185 | ホノルル |
14:20 | DL111 | ミネアポリス( |
14:45 | JL089 | ホノルル |
15:05 | UA875 | サンフランシスコ |
15:45 | DL007 | ロサンゼルス |
16:35 | AA027 | ロサンゼルス |
18:55 | HA457 | ホノルル |
19:20 | JL001 | サンフランシスコ |
20:30 | NH111 | シカゴ |
21:10 | NH109 | ニューヨーク |
22:05 | HA855 | ホノルル(月火木土) |
22:05 | HA851 | コナ(水金日) |
05:05 | NH105 | ロサンゼルス |
※米国側の航空会社は仮の配分(2016.9.1現在) 正式決定
新しいダイヤにちまたの反応は・・・
これまでハワイと西海岸にしか飛んでいなかった羽田⇔アメリカ便が ニューヨークやシカゴにも飛ぶようになるのは大きな変化だと思います。
一方で、上記ダイヤに問題意識をもっている人も多くいます。
今までに挙がっている&私が思っている問題点を整理してみます。
①東海岸への便が意外と少ない
昼間時間帯にアメリカ便を設ける最大のメリットは、深夜出発だと到着時刻が悪く利便性の低かった中部・東海岸路線を開設できることです。にもかかわらず、今回新たに就航する都市のうち中部・東海岸に該当するのはニューヨーク、シカゴ、ミネアポリスだけとなりました。
デルタはアトランタ線、アメリカンはダラス・フォートワース線、ユナイテッドはニューアーク線を、それぞれ申請していましたがアメリカ運輸省の認可が下りず、今回の開設には至りませんでした。
12便中4便をハワイ路線が占めるのもなんだかなぁ、という気もします。
②西海岸へ向かう便の利便性が低下
従来は羽田を深夜に出発し、西海岸に夕方到着という、時間を有効利用したいビジネスマンにとってはこれ以上ない便利なダイヤが組まれていました。
新しいダイヤでは、ロサンゼルスとサンフランシスコに向かう便が軒並み夕方発になり、到着は午前中です。機内で寝られない私のようなタイプの人間にはつらい時間です・・・
成田と同時間帯になったことで需要が偏ったりしないのか?、唯一深夜帯に残ったANAのロサンゼルス線に人気が殺到しないか?など、気になるところです。
サンフランシスコ滞在中かつANAマイレージ会員の私は、サンフランシスコを夜に出発して日本に深夜到着するユナイテッド便の時刻変更が非常に残念です。
③アライアンスによって偏りがある
特定アライアンスを贔屓にするマイラーには、一番気になる点かも知れません。
日本の航空会社に着目すると、ANAが2便分の枠を新たに得たのに対し、JALは従来通り2便です。JALの経営破たんの影響で近年は発着枠配分の際にANAに有利な決定がなされることが多いので仕方ない面もありますが、JALユーザーからすると東京からニューヨークやシカゴへ行くのに成田からしか行けない(ANAは羽田/成田 各1便ずつの予定)のは若干不便に感じそうです。
全体に目をやると、ANAとユナイテッドのStar Alliance勢がアメリカの主要都市を押さえていて"一人勝ち"の状態です。JALとアメリカンのOne World勢は西海岸とハワイだけで、厳しい状況が続きます。
そして、デルタのSky Teamは便数が1つ増えたとはいえ、メインハブのアトランタ便が認可されなかったことや、日本に提携航空会社が無いというハンデを背負うことに変わりはないので、日本市場への注力度が変わっていくかもしれません。現に、成田~ニューヨーク線など3本を10月から運休することが発表されたところです。
デルタ航空、東京/成田〜ニューヨーク・バンコク・大阪/関西線を運休 - トラベルメディア「Traicy(トライシー)」
というわけで、マイラーにとっても明暗が分かれそうな今回のダイヤ変更です。
今後も羽田の発着枠拡大に合わせて便数が増えていくと思いますが、どう配分されるのか注目です。
また次回!