ARNYUKI

生真面目マイラー参上

旅行とエアラインが大好きな機械系エンジニアのブログです。2016、2017年度ANAプラチナ。SFC取得。2018年度JALサファイア&JGC獲得。

ANAの「詰め込み座席」はこの路線! 〜2020年夏スケジュール〜


2020年3月からの夏スケジュールに合わせて情報更新しました(2020.2.14)


JALは2013年から新間隔エコノミーと称して座席幅・前後間隔に余裕を持たせたSKY SUITE機材を就航させています。JGC獲得をめざしてJALを積極利用していた時期に何度か座ったことがあるのですが、「足元が思った以上に広くて快適」という口コミ通りの非常によくできたシート配置でした。

国際線 新仕様機材 JAL SKY SUITE (Welcome New Sky) - JAL



一方のANAはというと、ファーストやビジネスはJALと競うように快適シートを導入していますが、プレミアムエコノミーはJALより席が少なめ、エコノミーも席を詰め込んで、少しでも有償旅客を増やしたい=収益を増やしたいという魂胆が見えます。

今回は"詰め込み機材"という呼び声の高い国際線用の3機種に絞って、その過密配置っぷりや割り当て路線をまとめます。旅行や出張の際のフライトチョイスに活用してみてください。

なお、本記事は2020年4月1日出発便を基準にまとめています。日によっては機材変更される可能性がありますのでご注意ください。



ボーイング777-300ER

座席配置の異なる4タイプがあります。いずれもファーストとプレミアムエコノミーを含む4クラス構成。777のエコノミーは横9列がメーカー標準の座席数なのですが、212席(新)タイプと264席タイプは横10列という国内線同様の過密配置です。最近はこの機種の新規製造分の約70%が横10列との情報もあります。どのエアラインも考えることは同じということですね。

エコノミーのシート幅についてはANAの公式データが見当たらなかったので、以下のブログを参考に数値を丸めました。(こんど実際に測ってみようかな~)

http://cx902.com/archives/high_density.html


212席(旧)タイプ 212席(新)タイプ 250席タイプ 264席タイプ
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シート幅 約44cm
前後間隔 約86cm
シート幅 約40cm
前後間隔 約86cm
シート幅 約44cm
前後間隔 約86cm
シート幅 約40cm
前後間隔 約86cm
成田・羽田~ニューヨーク(※)
羽田~ロサンゼルス(●)
羽田~サンフランシスコ
羽田~ヒューストン
羽田~フランクフルト(※)
羽田~北京(■)
羽田~ロンドン
成田・羽田~ニューヨーク(※)
羽田~フランクフルト(※)
羽田~ワシントンDC
羽田~ロサンゼルス(●)
成田~ホノルル(△)

1機はBB-8 JET
成田・羽田~シカゴ
成田~サンフランシスコ
成田~ロサンゼルス


※212席タイプの新旧は日によって異なる

■羽田朝発NH961/北京午後発NH962 が本機材

●先の出発:NH126,125が250席タイプ、後の出発:NH106,105が212席タイプ

△後の出発:NH182/181は日によってA380

表にあげた路線のほか、ミュンヘン、香港、バンコク路線に当機材が中途投入されるとのこと。座席配置不明。


212席と250席の違いはビジネスとエコノミーの配分です。ビジネス路線中心に投入している215席タイプはエコノミーのエリアが後ろ3分の1ぐらいしか無いんですね。

250席と264席はファースト・ビジネス・プレエコの席数は同じでエコノミーが横9列か10列かだけの違いです。ビジネス・観光・乗り継ぎのすべてにおいて需要旺盛なロサンゼルスのような行先には264席タイプを投入しているようです。サンフランシスコ在住時の日本往復で264席タイプにたびたび乗りましたが、とにかく狭い!最近はSFCの力でプレミアムエコノミー(シート幅49cm)に変更することがほとんどです(2019年9月いっぱいで無料アップグレードが終わってしまったのが何とも残念!)。

エコノミーが横9列の場合、航空会社によって3-3-3と分けたり2-5-2と分けたりするのが一般的です。一方のANAは2-4-3というユニークな分け方。様々な人数のグループに対応するためのアイデアだそうです。

ちなみにJALはこの機種を244人乗りで統一しています(ファースト8、ビジネス49、プレエコ40、エコノミー147)。



ボーイング787-8

この機種も3タイプあり、240席タイプにはプレミアムエコノミーがありません。 初期の機材ではエコノミーは横8列だったのですが、最近はすべて横9列に換装されています。もともとメーカー標準は横8列なはずなのに、世界中ほぼすべての航空会社は横9列にしています。私の知る限り横8列を今でも続けているのはJALだけだと思います。

169席タイプ 184席タイプ 240席タイプ
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シート幅 約40cm
前後間隔 約79cm
シート幅 約40cm
前後間隔 約79cm
シート幅 約40cm
前後間隔 約79cm
成田~メキシコシティ
成田~上海(浦東)(+)
成田〜チェンナイ(■)
羽田~サンノゼ
羽田~シアトル
羽田~ストックホルム
羽田~イスタンブール
成田~ムンバイ
成田~プノンペン
成田〜バンコク(●)
成田・羽田~ジャカルタ(◯)
成田~マニラ
成田~ホーチミンシティ
羽田~ソウル(3便とも)
羽田~台北(松山)(2便とも)
羽田~北京(*)
羽田~上海(浦東)(▲)
羽田~上海(虹橋)
羽田~青島
羽田~深圳


+羽田夕方発NH921/上海朝発NH922 は2020年8月末まで767で運航。

▲羽田深夜発NH967/上海深夜発NH968 は767で運航との情報あり。

*羽田夕方発NH963/北京朝発NH964 が本機材。

●成田夕方発2便目NH805/バンコク朝発NH806 が本機材。日によっては787-10に変更。

◯羽田便は、羽田深夜発NH871/ジャカルタ朝発NH872 が本機材

■2020年7月から767に変更予定。


こちらもシート幅が40cmと狭いです。さらにシートピッチが79cmと狭く、足元も窮屈に感じるかもしれません。これでも欧米方面の長距離線に使われているというから驚きです。ますますプレエコに逃げたくなりそう・・・

ちなみに、ビジネスクラスの配置が異なっているように見えるのは、座席タイプが異なるためです。169席、184席タイプにはフルフラット可能なシート(ANA BUSINESS STAGGERED)が装備されていますが、240席タイプはクレードルタイプ(ANA BUSINESS CRADLE)となっています。



ボーイング787-9

215席タイプ 246席タイプ
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シート幅 約40cm
前後間隔 約86cm
シート幅 約40cm
前後間隔 約86cm
成田〜デュッセルドルフ
成田~ブリュッセル
羽田~パリ
羽田~ミュンヘン
羽田~ウィーン
羽田~ミラノ
羽田~シンガポール(×)
成田~バンコク(★)
羽田~デリー
成田~ハノイ
成田~大連

1機はR2-D2 JET
羽田〜バンクーバー
羽田~シンガポール(×)
成田・羽田~クアラルンプール
羽田~ジャカルタ(■)
羽田〜マニラ
羽田〜ホーチミンシティ
羽田~ホノルル
羽田~バンコク(3便とも)
羽田~香港(+)
羽田~北京(●)
羽田~シドニー(2便とも)


×羽田午前発NH841/シンガポール夜発NH842が215席タイプ、羽田深夜発NH843/シンガポール午前発NH844が246席タイプ。

★成田夕方発1便目NH807/バンコク深夜発NH808 が本機材。

●羽田午前発NH961/北京午後発NH962 が本機材。

■羽田朝発NH855/ジャカルタ夜発NH856 が本機材。

+羽田朝発NH859/香港午後発NH860 が本機材。日によって787-8や777-300に変更。

(成田〜パース便にも本機材投入予定だが座席配置不明)


215席タイプは長距離用、246席タイプは中距離用、と大まかに使い分けられているようです。



まとめ

詰め込みと言われる機材のシート幅は約40cmのようです。ほかの機材でも45cmを超えることは無いので微々たる差かもしれませんが、長時間のフライトになると疲労の溜まり方が変わってくるものです。


老朽化した機材が787などの新機種に置き換わっていくのは結構なことだと思いますが、見方を変えれば詰め込み機材が増えていくことでもあります。JALと対照的なこの戦略、果たして利用者が慣れていくのと離れていくのと、どっちが先になるのでしょうか!?


追記:ユナイテッド航空についても同様にまとめてみました。 arnyuki.hatenablog.com



今回の更新では調べ方が大雑把になってしまったため、誤記や誤解があるかもしれません。また、2019年から787-10の納入が始まり、機材変更がますます多くなりそうです。ご予約の際にはwebサイトの最新情報でご搭乗便の機材をご確認ください。