ARNYUKI

生真面目マイラー参上

旅行とエアラインが大好きな機械系エンジニアのブログです。2016、2017年度ANAプラチナ。SFC取得。2018年度JALサファイア&JGC獲得。

なぜSFCを目指すのか? ~ANAスーパーフライヤーズカードの魅力~

ANAマイラーの多くが夢見るスーパーフライヤーズカード(SFC)。一度取得すれば上級会員特典を半永久的に受けられるため、資格獲得のために飛行機に乗りまくる「修行*1」をする人も絶えません。それほど絶大な恩恵があるということです。

私自身、昨年同カードを取得して気付いた事もたくさんあるので、本記事では私の感想も交えながらSFCの魅力をシェアします。  



SFC取得の条件

過去記事でANAマイレージ制度について簡単に説明しています。
arnyuki.hatenablog.com

SFC獲得のためには、飛行機に乗ってプレミアムポイントを貯め、プラチナ以上のステータスに到達する必要があります。プレミアムポイントはマイルと違って飛行機に乗らないと獲得できないので、いかに低予算で乗るか?が修行の重要なポイントとなっています。*2

プラチナ基準に到達すると、ANAホームページまたは電話問合せ窓口からカード申込書を取り寄せることができます。書類提出後、一般的なクレジットカードと同様の審査を通過すれば、めでたくSFC獲得となります。仮に翌年以降プラチナ到達できなくても、このカードを所有し続けていればプラチナ並みの特典を受け続けるとができます。

また、プラチナかSFCのどちらかを持っていれば"スターアライアンスGOLD"の資格も同時に付与され、ANA以外のスターアライアンス便に乗るときにも優遇されます。




SFCの特典

SFCホルダーはプラチナ並みの特典を受けられますが、若干の違いがあります。
どれだけプラチナ並みなのか? まずは両者の特典を一覧表で比較してみました(詳細後述)。
スターアライアンスGOLDメンバーとして他社便利用時にも受けられる特典には★をつけてあります。

特典内容 プラチナ SFC
専用デスク ○ SFC専用
★ ラウンジ利用 ○ 同じ
プレエコ利用 ○ 同じ
国内線の先行予約受付 × 一般と同時
国内線座席指定優先 △ プラチナの次
★ 予約時空席待ち優先 ○ 同じ
特典航空券優先 ○ 同じ
★ 優先チェックインカウンター ○ 同じ
★ 手荷物受取優先 ○ 同じ
★ 手荷物許容量優待 ○ 同じ
★ 専用保安検査場 ○ 同じ
★ 優先搭乗 ○ 同じ
当日空席待ち優先 ○ 同じ
マイカーバレー@成田 ○ 同じ
駐車場優先予約@羽田 ○ 同じ
香港出入国優先レーン ○ 同じ
アップグレードポイント △ 獲得ポイント次第
フライトボーナスマイル △ プラチナより低
マイル→SKYコイン交換 △ プラチナより低
ホテル優待 ○ 割引率が少し上
ATM手数料無料 × SFCは無し
オリジナルネームタグ × ○ SFC入会時
ANAセレクション ○ 同じ
マガジンana-logue ○ 同じ
カレンダー・手帳 ○ 同じ



全体的にはそれほど違いが無さそうです。詳しく見ていきましょう。


プラチナ>SFC の特典


国内線の先行予約受付

一般よりも2週間早く予約開始なので、特に繁忙期に安い運賃のチケットが取りやすくなり便利です。プラチナとダイヤモンドのみの特典で、SFCは一般と同じ扱いになります。


国内線の座席指定優先

指定可能な範囲がダイヤモンド>プラチナ>SFCの順で広くとられています。窓側/通路側、足元の広い非常口座席、乗降に便利な前方座席など、希望が叶いやすくなります。


アップグレードポイント

前年にANA便で獲得したプレミアムポイント数に応じて「アップグレードポイント」を付与され、ANAユナイテッド航空便の座席アップグレードに利用できます。(ほか、同行者のラウンジ入室やSKYコイン交換なども可)

国内線は当日空港で、国際線は前日までにWEBサイトか電話で、それぞれ上位クラスへアップグレードが可能ですが、注意したいのは国際線ではアップグレード可能な予約クラスが限られていることです。例えばエコノミーからビジネスへのアップグレードには、予約クラスがY/E/B/Mのいずれか、つまり運賃が高めのクラスである必要があります。これが壁になってなかなか利用チャンスに恵まれないのが残念なところです・・・

会員ランクの有無によらず、前年に1回以上ANA便に乗ったSFCホルダーには一律4ポイントが加算されます。4ポイントだと国内線の普通席からプレミアムクラスへのアップグレードには使えますが、国際線には不十分となります。

フライトボーナスマイル

ANAまたはユナイテッド航空に搭乗すると、通常のフライトマイルに加えてボーナスマイルを獲得できます。 マイル数はSFCとプラチナで差がつけられており、SFCは保有カード種別によってフライトマイルの35-50%、プラチナはランク継続年数によって90-105%となっています。SFCとプラチナの両方を持っている場合はプラチナの倍率が適用されます。

SFCとプラチナ特典の最大の違いはここにあり、たとえば成田~サンフランシスコ線を予約クラスQで往復した場合の合計獲得マイルは、SFC9695マイル~、プラチナで13645マイル~、と4000マイル近い差があります。


マイルからANA SKYコインへの交換

SKYコインはANAのウェブサイトから航空券や旅行商品を買う場合に1コイン=1円として使える電子マネーのことです。獲得方法は、マイルからの交換、アップグレードポイントからの交換、ANA Social Sky Clubへの書き込み、の3つがあります。 マイルから交換する場合の交換倍率は、ブロンズ以上の会員は最大1.7倍、会員ランクのないSFCホルダーは最大1.6倍となり、わずかな差があります。この最大倍率は50000マイル以上の交換の場合に適用され、得られるコインは5000円分違うので割とばかにできない差です。


ATM手数料無料

ANAマイレージクラブFinancial Pass Visa デビットカードを持っているブロンズ以上の会員は、国内外を問わずATMで現金を引き出す際の手数料が無料になります。SFCには無い特典です。





プラチナ<SFC の特典


IHG・ANAホテルズグループでの優待

日本国内にあるANA系ホテルやホリデイ・インなどに宿泊の場合、割引を受けることができます。プラチナは宿泊料金が5%引きSFC10%引きになります。

スーパーフライヤーズ会員オリジナルネームタグ

SFCに入会するともらえます。スーツケースに付けると上級会員自慢をしているような気がして恥ずかしいからか、付けている人を見たことがありません。私もですが笑



プラチナ=SFCの特典


プレミアムメンバー専用デスク

特典航空券を含む航空券の予約・確認や、各種問合せに対応してくれる、上級会員専用の電話受付窓口を利用できます。一般窓口とは別なので、混雑が少なく繋がりやすいと言われています。私も2度ほど利用していますが、すぐかかりました。日本以外にも、アメリカ(おそらくロサンゼルス)、ロンドン、北京、ソウル、香港 にもデスクがあり、国際線に関する問合せは世界どこからでも24時間可能な体制となっています。 最初に自動音声に従って会員番号とパスワードを入力し、認証が行われます。

ラウンジの利用

国内外のスターアライアンス航空会社のラウンジを利用できます。航空券の予約時またはチェックイン時にANAマイレージ会員番号を登録すると、搭乗券にラウンジ利用可能の印字がされ、それをラウンジ入口で提示して入場します。
国際線のANAラウンジでは軽食や飲み物が充実していて、搭乗前に満腹になってしまう人も。

国際線プレミアムエコノミーの利用

エコノミーを予約している場合でも、搭乗手続きの時点で空席があればプレミアムエコノミーに無料で変更可能です。こちらは予約クラスに関係なく可能です。搭乗手続きは24時間前からオンラインで始まり、早い者勝ちとなります。 私はSFC取得後ANA国際線に5回乗っていますが、すべてプレミアムエコノミーに変更できました。座席の幅が広い、足元が広い、レッグレストがある、エコノミーには無い飲み物や食べ物がある、スリッパがもらえる、など快適です。
ANAのサンフランシスコ便はエコノミーが横10列の過密配置*3ですが、プレミアムエコノミーは横8列なので空いているなら是が非でも取りたいところ。

予約時の空席待ちの優先

希望便が満席の場合、空席待ちを優先して受けてもらえるサービスです。
まだ利用したことはありませんが、繁忙期に突然の予定が入った場合に重宝しそうです。

国際線特典航空券の優先

特典航空券の予約と空席待ちを優先的に受け付けてもらえます。

優先チェックインカウンター

スターアライアンス便の利用時に、専用カウンターでチェックインできます。国際線ならビジネスクラスカウンター、スターアライアンスGOLDカウンター、が利用できます。繁忙期はエコノミーカウンターが混雑するため、威力を発揮します。

手荷物受取の優先

スターアライアンス便の利用時に、手荷物(機内持ち込みではなく航空会社に預けた荷物のこと)が到着地で先に出てきます。チェックイン時に"Priority"と書かれたタグを荷物に着けて区別されるため、優先扱いされます。ただし国際線で海外に到着する場合、入国審査に時間がかかる事が多く、回転台に行ってみたらすでに全ての荷物が回っていることもよくあります。国内線または日本到着の国際線でメリットがあるかと思います。

手荷物許容量の優待

離陸重量が大きくなり過ぎないよう、航空会社・機種ごとに手荷物の重量制限が設けられていますが、上級会員はその制限が緩和されます。

専用保安検査場の利用

スターアライアンス便の利用時に、混雑の少ない上級会員専用の保安検査場を使えます。一般のレーンには旅慣れていない人も多く、係員に言われてからPCや液体物を取り出す人も少なくないので時間がかかりますが、専用レーンならその心配もなくスムーズに通過できます。 なお、国際線では保安検査場の後に出国審査がありますが、出国審査では普通、優先レーンはなく全員同じ列に並びます。

優先搭乗

一般客よりも先に飛行機に乗ることできます。日本国内線ではあまり実感わかないですが、海外では荷物は可能な限り機内持ち込みするのが普通です(遅延やロストバゲージのリスクが日本より高いため)。多くの乗客が制限サイズギリギリのキャリーバッグを持ち込んで荷物入れの争奪戦を繰り広げるため、優先搭乗して自席近くのスペースを確保できるのは大きなメリットです。

空港での空席待ち優先

先に挙げたのは「予約時」の優先ですが、当日に空港で空席待ちリストに入った際にも優先的に席を割り当ててもらえます。

マイカーバレーの優待@成田

成田空港にマイカーで行く場合、提携駐車場に優待料金で駐車でき、なおかつ帰国時には空港の前まで車を届けてくれるというサービスです。往復ともANA便を利用する場合のみ対象です。

駐車場優先予約@羽田

羽田の第2ターミナルに隣接する駐車場の予約を優先して受け付けてもらえるサービスです。 国際線の利用時にもおそらく使えますが、国際線ターミナルまでは連絡バスか電車で移動する必要があります。

香港空港での優先レーン

香港の出入国手続きで優先レーンを利用できます。 香港で乗り継ぐ場合は入国不要なので、香港が最終目的地の場合にメリットがあります。

プレミアムメンバー限定ANAセレクション
ブロンズ以上の会員とSFCホルダー限定のオンラインショップで買い物ができます。品揃えはビジネス用の衣類、かばん、スーツケースなど。支払いにはマイルを使います。

ライフスタイルマガジン"ana-logue"

年3回発行される、旅の情報誌です。iPadANAアプリでも閲覧できます。

カレンダーや手帳のプレゼント

プラチナ会員は卓上カレンダーとデスクダイアリー、SFC会員は限定手帳とカレンダーがもらえます。希望しない場合は500マイルを獲得できます。



一通り挙げてみましたが、これだけ多いと抜けがあるような気がして仕方ないです笑

ともあれ、ボーナスマイルが”プラチナ>>SFC”な以外は、実感できるほどの違いは無いことが分かります。個人的には、ラウンジが使えてプレエコ変更ができて優先搭乗ができればSFCで文句なし、一度獲得したら翌年以降ムリしてもう1回プラチナを目指す必要はないと思います。あと少しで到達するとなった場合に背伸びするぐらいで十分かと。

それにしても、昨今の企業の海外進出や海外旅行ブーム、修行僧の増加などに伴ってSFCホルダーも年々増加の一途だと思うのですが、ANAはこれだけの特典を提供してちゃんと儲かっているのでしょうか!? 気になります。


また次回!

*1:修行は海外でも広がっていて、milage runと呼ばれています

*2:当ブログでは修行については詳しく触れるつもりはないので、検索で上位ヒットする修行エキスパートの方々のブログに譲ります

*3:国際線のボーイング777は横9列が標準ですが、1列増やす航空会社もちらほら出てきています